【修理事例】高校進学で必要に!電源が入らないiPad mini 4を復活させました
~約1年放置されていた端末が、バッテリー交換で見事に再起動~
■ ご相談内容
今回お預かりしたのは、iPad mini 第4世代(A1538)。
「電源が入らない」という症状で、約1年ほど使用せず放置されていた端末です。
お話を伺うと、この春から高校に進学するお子様のために、学校から「モバイル端末を1台用意してください」と案内があったとのこと。
新しく買い直すのではなく、使っていなかったこのiPadを修理して使わせたい、ということでご相談いただきました。
■ 診断と初期検査
まずは電源まわりの状態を確認するため、テスターを接続。
完全に反応がないわけではなく、微かに通電はしているような数値を確認できました。
長期間放置されていた端末にありがちな、バッテリー劣化・膨張・完全放電のパターンがまず疑われますが、念のため基板側の損傷も視野に入れながらお預かり。
※仮に基板損傷であれば、修理費がかさむためお客様の了承を得て「その場合は修理中断」というお約束のうえ作業に入りました。
■ 修理内容と結果
早速分解し、内部状態をチェック。
幸いなことに、基板には異常が見られず、バッテリー交換後すぐに電源が入りました。
電源が入ったことはもちろん良いことなのですが、当店では液晶パネルを取り外す作業、そして再圧着の工程に特に注意を払っています。
iPadの修理経験がある方の中には、「ガラスが浮いてきた」「しばらくして剥がれてしまった」というご経験をされた方も少なくないと思います。
このような不具合の多くは、再圧着工程に十分な手間と時間をかけていないことが原因です。
当店では、こうしたトラブルを防ぐため、再圧着にはしっかりと時間をかけて慎重に仕上げています。
一見すると目立たない工程ですが、ここを丁寧に行うことで修理後の耐久性や使い心地に大きな差が出ます。
正直に言えば、こうした手間を惜しまない修理店はほとんどありません。
通常の修理業務は「いかに早く、効率的に回すか」が重視される傾向があるため、再圧着のように時間のかかる工程は後回しにされがちです。
ですが当店では、目に見えない部分にこそ丁寧さを注ぐことを大切にしています。
修理の件数をこなすことよりも、1件1件の作業品質を最優先。
私たちは、「本当に安心して使える修理」を提供するために、必要な手間を惜しみません。
例えば、ガラスや液晶パネルの圧着ひとつ取っても、圧着が不十分なまま返却してしまえば、お客様が数日後・数週間後に不便を感じることになります。
一見目立たない部分かもしれませんが、そこにこそ“技術者の良心”が現れると私たちは考えています。
短時間・低価格を打ち出している修理店が数多くある中で、私たちはあえて真逆の姿勢を貫いています。
「どこでも一緒」「安いほうがいい」と思われているお客様にこそ、ぜひ一度当店の修理をご体感いただきたいと思っています。
とはいえ、iPadは「電源が入った=修理完了」とは限りません。
今度は充電機能の確認へ。
充電器を接続し、電圧・電流値を測定したところ、正常な数値で反応しており、しっかり充電ができていることが確認できました。
■ 修理完了
以上のチェックを経て、無事に修理完了といたしました!
放置されたままのiPadでも、状態によってはこうしてしっかり再生できるケースがあります。
バッテリーの寿命はもちろん、内部コンデンサや充電ICなどの不具合も潜んでいることがありますので、症状が軽いうちに診断されることをおすすめします。
今回の修理端末は、お子様の高校進学にあたって、学習用として再活用される予定とのこと。
このように、「買い替え」ではなく「直して使う」という選択が注目されてきています。
当店では、古いタブレットやiPadを“学びの現場で再活用する”という視点からの修理相談も受け付けています。
👉 実際に教育活用された事例についてはこちらの記事をご覧ください
■ 最後に
なお、iPad修理に関して一点ご理解いただきたいことがあります。
お問い合わせいただくお客様の多くが、iPhoneのバッテリー交換のように「数十分で直るもの」と思われているのが現状です。
これは、おそらく一部の修理店が「即日修理対応」「その日のうちに完了」といった強気な表現を広告に使っている影響もあると思われます。
もちろん、端末の状態や作業内容によっては早く終わるケースもありますが、iPadは構造上、液晶パネルの剥離・再圧着などに慎重な工程が必要であり、iPhoneのような短時間修理とはまったく性質が異なります。
「どこでも一緒」と思われがちなこの業界ですが、当店では時間をかけてでも丁寧な作業を徹底しています。
その点もご理解のうえで、お気軽にご相談いただければと思います。
修理業というのは、どうしても職人気質が出やすい仕事です。
状態を正確に伝えるために、ストレートな表現になることもあります。
ただ、それが「冷たい」と感じられてしまえば本末転倒です。
技術だけでなく、伝え方にも気を配る──その意識は常に持っています。
ごまかさず、正直に。けれど決して突き放すことなく。
お客様が安心してご相談いただけるよう、これからも誠実に向き合っていきます。
お子様の高校進学という大切な節目に、役立てる1台としてiPadを再活用できたことを、私たちも嬉しく思います。
「電源が入らない」「ずっと使っていない」「今さら直るの?」
そんなモバイル端末でも、一度診断してみる価値はあります。
ぜひお気軽にご相談ください!
■ 店舗情報
i-Rescue119千葉印西店
千葉県印西市草深1421-110
TEL:0476-37-7794
営業時間:不定休(事前にご連絡ください)
アクセス:北総線「印西牧の原駅」徒歩25分/ジョイフル本田千葉ニュータウン店より徒歩2分
駐車場:3台分完備